コンサルティング物語

中小企業のバランス・スコアカード(BSC)には「リーダーシップの視点」が必要

EME「コンサルティング物語」は、コンサルティングの現場を物語風にアレンジしたものです。
コンサルタントの役割を身近に感じて頂けるように、EMEの新しいチャレンジです。

 中小企業のバランス・スコアカード(BSC)には「リーダーシップの視点」が必要
−中小企業は理念共同体(リーダーシップの視点を組み込んだ背景)−


その1

コンサルティング物語

〜今のままでは、我が社の将来はない〜

EMEでは、中小企業は「理念共同体」であり、経営理念・経営ビジョン・戦略プログラムを定着させるためには、経営者・経営幹部のリーダーシップが、特に重要と考えています。EMEのバランス・スコアカード(以下、「EMEのBSC」)では、このような中小企業の特性を踏まえて、一般的なBSCの4つの視点(@顧客の視点、A業務プロセスの視点、B学習と成長の視点、C財務の視点)に加えて、Dリーダーシップの視点を組み込んだ、中小企業のBSCの導入を支援しており、多くの賛同をいただいています。

今回は、EMEが、リーダーシップの視点を組み込んだ「EMEのBSC」の導入支援をおこなうきっかけとなった、中堅工務店Y社の事例をご報告します。
Y社とのご縁は、17年前のC専務との出会いにさかのぼります。
Y社は、創業者である祖父および現社長である父親が、大都市近郊のベッドタウンZ市の発展とともに、注文住宅を中心に事業を拡大してきました。祖父のA氏は、腕の良い大工の棟梁として、大工仲間からも一目置かれる存在でした。さらに、父親であるB社長が、A氏の元で修行し、鍛えられて育った、職人気質の社長として、Y社を中堅工務店に育て上げたのです。特に、職人気質のA氏やB社長は、地域の世話役を引き受け、地域からも信頼されるリーダー的な存在でもあり、Y社は、Z市の成長に加え、地域からの信頼と、腕の良さとの相乗効果で、業績を伸ばしていったのでした。
3代目のC氏は、大手ゼネコンに就職後、一定の修行期間を経て、5年前にY社に就職しました。しかし、C氏が入社した頃、Z市はベッドタウンとしての成熟期を迎えており、あらたな注文住宅の需要が減少、近年の業績は、頭打ちから下降傾向となっていました。
C氏が、私どもに相談に来たのは、1年前にB社長から専務という役職を与えられ、業績が停滞するなか、専務として、後継者として、次のY社の方向性を決めないといけないと悩んでいるときでした 。

C専務 : 住宅建築業の弊社では、祖父の代から、「地域への貢献、地域との信頼」をモットーに事業に取り組んできました。祖父や父からは、何度も、何度も、「地域へ貢献することによって、地域のお客様との信頼関係が構築でき、結果として、注文していただける」という言葉を聴かされました。
コンサル: 経営の姿勢が明快ですね。
C専務 : しかし、近年、業績は低迷を続けています。正直、何が業績悪化の原因なのか、つかめないでいます。祖父から事業を引き継いだ親父は、今でも地域の自治会の会長を務めていますし、地域のイベントにも積極的に参加して、地域の活性化に貢献していると思っています。ただ、最近、気になっていることは、今までの地域への貢献が、結果として、受注に結び付く環境になっていないのではないか、ということです。
コンサル: どうして、そのように感じるのですか。
C専務 : 数か月前、自治会の役員の家を建て替える際、社長は、当然私どもに依頼が来ると思っていたのですが、別の工務店に取られてしまったのです。あとで、その役員に、どこに発注されたのかを聞いたところ、息子の仕事関係の工務店に依頼したとのこと、少し気まずい雰囲気が流れました。
コンサル: C専務に、あらためてお聞きしますが、我が社が、お客様から選ばれている理由、建築の依頼をいただけている理由は、何だと思われますか。
C専務 : それは大工仕事の腕と地域との信頼関係でしょう。
コンサル: 地域との信頼関係とは、だれとだれの信頼関係でしょうか。
C専務 : それは、親父と地域の方々・・・。
コンサル: では、先ほどの案件は、なぜ失注したのでしょうか?
C専務 :

親父と一緒に地域を盛り上げてきた人たちが、引退の時期となっている。
[専務の顔色が変わりました]

コンサル: 家を建てる、家をリフォームする、その意思決定をする人たちが、次の世代に代替わりしていっているのではないですか。C専務は、これから意思決定する世代に、信頼関係を築けるようなアプローチをしてきましたか?
C専務 :

現場の仕事に追われて、今まで、何もしてこなかった・・・。業績が落ちている原因がわかりました。今のままでは、我が社の将来はありません。私は、何をするべきなのでしょうか。

コンサル: B社長は、C専務に経営を任せていこうとしているわけですから、その期待に応えるために、C専務としての中期計画を策定するべきではありませんか。そのとき、初めて経営者としての心構えができるはずです。
C専務は、これから、我が社をどのような会社にしていきたいですか?
C専務 : 今まで、そのようなことを考えてもいなかった。
コンサル: 経営を任されるということは、現実を把握して、夢を描き、実現していくことです。そのためには、自分の意思をしっかり持つことが大切です。まずは、C専務の夢創りから検討しましょう。
C専務 : 業績が低下する中、B社長から経営を任すといわれて、一人悩んでいました。今日、相談にきて、本当に良かった。

このような経緯から、B社長とも話し合い、B社長の了解のもと、BSCの考え方・フレームワークを活用して、C専務の中期経営計画作りが始まりました(後から考えると、B社長は、C専務の教育係りという位置づけで、コンサルタントをとらえていたようでした)。しかし、C専務の夢を具現化しようとしたとき、大きな壁に遭遇したのです。大きな壁の内容については、次回報告します。

《参考》
経営理念の浸透・企業文化の変革については、下記のコンサルティング物語もご参照ください。
◎ 新しい経営理念を浸透させる −企業文化の再構築〜
◎ バランス・スコアカードで企業文化を変える


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